神様お願い 僕を殺してください
「死にたい。」
彼はぽつりといった。もう生きる気力は残っていない。
その声はすぐに雨音にかき消された。それを聞くのは神様だけ。

「君は死にたいと思っている。でも彼は生きたいと思っている。それがわかるかい?」

彼は黙っていた。考えていた。神様の言葉。自分のすべきこと。

「それがわかって、答えを出すことが出来れば。君は天使だよ、永遠にね。」

神様がそういうと、彼の羽根は泥のように溶けてなくなった。
そして彼は、大雨の中を地上まで落ちていった。そしてハッとした。
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