神様お願い 僕を殺してください
彼は、もう少しで病院に追突する距離に来た。
と、そのとき。雲の隙間から一本の光が彼に降り注いだ。
人間たちの間でそれは、天使の架け橋と呼ばれている。
その光が今一度、彼に天使の羽根を渡した。

「これからすることが、天使のうちに出来なかった僕の仕事でしょう?」

屋上にゆっくりと着陸した彼は、喜びでいっぱいだった。
これから自分が消えることなど気にもせず、ただ自分の愛した女性を幸せに出来ることに喜びを感じていたのだ。
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