先輩、大好きです。



そう言って食べた弁当は、いつもよりも美味しくなかった。



きっとそれは。



隣に先輩がいないから。



隣…いいえ。



目の前に。先輩がいないから。



いつだって私は隣には並べなかった。



告白する時だって、弁当を食べる時だって、助けてくれた時だって。



隣ってね、それだけで恋人のような気分になるでしょ?



だから私は裕翔先輩の隣に並びたかった。



今だって…ずっと、ずっと。
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