先輩、大好きです。
でもさ、それじゃあ…
「裕翔先輩を裏切れってこと?
優奈先輩を金沢先輩に誘導するなんて、私、出来ません。」
だってね、それで嫌われたら…なんて考えてると、泣きそうになってくるから。
「違うよ、由奈ちゃん。
裏切りじゃない。
話すと長くなるけど、いい?
由奈ちゃん、自分を責めないでね。」
そうやって金沢先輩は、話し始めた。
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短くまとめると、
優奈先輩は私に嫉妬している。
そして、金沢先輩に今、気持ちが向いている。
だけど、裕翔先輩を捨てることは出来ない。
…だそう。
裕翔先輩の想いはどうなるの?
私の想いは?
どうして優奈先輩は私に嫉妬なんか?
パシリなんかより、恋人の方がいいじゃんか。
私はあなたが羨ましかった。
恋人なんだから、何も不安に思うことなんかないんじゃないの?
…愛ってそんなに脆いものなんだ。
「…いいですよ。
裏切りではないと思いながら頑張ります。
だけど聞いてください。
私が頑張るのは優奈先輩のためですから。」
「…うん。ありがとう。」
そう言って悲しそうに微笑んだ。
「もぅ、いいじゃないですか。
ご飯食べましょ。」