3年後、あの約束の続き
「約束、なんです。ごめんなさい」


私は章に言えない。


‐どうしても。



「約束?誰と?」


「ごめんなさい」


それも‐言えない。



「他に・・俺に隠していることは?」


章は、徐々に私を追い詰めていく。
‐どうすれば、いいんだ。



ずっと俯いている私の顔に、そっと章の手が触れる。


その手にぐっと引き寄せられ‐私の唇に、章の唇が触れた。

そのままベッドに、押し倒される。



「やっぱり、隠していること、あるよね」

章は自分の唇を、手の甲で拭った。


「忘れた、とは言わせない」
章が私を見下ろしている。

「やめ…」

「やめない」

そうして章は、私のジャケットに手をかける。


「俺の記憶だと、君は右の二の腕に火傷がある」


そして‐私のジャケットを引き剥がしにかかる。
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