3年後、あの約束の続き
そしてあっという間に時間は夜7時を過ぎた。
明日も仕事なので、私達は帰ることになった。

帰り際玄関で、翔太は章に抱きついて
「またくる?」と少し泣きそうな目で見ている。

章はしゃがんで
「また来るよ、うちにもおいでね」
そう言って頭を撫でている。

すっかり翔太は章になついている。
章も満更ではないみたいだ。


「じゃあ駐車場まで送るわ」
なぜか両手いっぱいの荷物を抱えて、お母さんも玄関にやってくる。

「お母さん、何それ・・・?」

「章君、漬物好きだったでしょう?うちで漬けたやつ持って行ってね。あと佃煮とか色々」

「わー助かります。おばさん、ありがとう」

章はすっかり今の家族とも打ち解けている。
10年のブランクはすっかり感じなくなった。
私の会社での苦労は何だったんだ・・・。
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