3年後、あの約束の続き
それを聞いた早苗お姉ちゃんは、頭をかかえる。
「そりゃ完全に、再犯だね。身近な人に近づくってよくある話だから」


やっぱり、あの人の目的は私だったのか・・・。

「えみちゃんごめんね、酷な事言うけれど、恐らく懲役になっても数年前にその犯人は出所してるんじゃないかと思うよ。
精神病だったら、減刑してる可能性も大いにあるから」


「そんな・・・」
つまり、私の10年間は『無駄だった』・・・?


「えみちゃん、事件のこととか1番詳しいのって誰かな?おじさんが詳しいかな?」

「多分だけど・・・弁護士の先生だと思う。『あの人』たち一家についてる弁護士の人・・・」

私は確か名刺があったなと思って、財布の中を探す。
やっぱりあった。先生の名刺。

「今すごく忙しいみたいなんだよね・・・今マスコミに追われているみたい」
そう、あの秘書が起こしたと言われている賄賂の問題。
一旦は鎮静化したけれど、まだニュースに進捗が放送されるぐらいの知名度は保たれたままだ。
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