3年後、あの約束の続き
人が一気に居なくなって、私と章は呆然と立ち竦んでいる。
思わず顔を見合わせていると、「弟、渡辺さん」と言って誰かが肩を叩く。
顔を上げるとやっぱり。志木さんだった。
「もう野次馬ができてるし、帰ろう。裏口にタクシー呼ぶよ。僕は店舗に行ってくるから、裏口で待ってて」
志木さんは私が持ってるものを受け取って、私達を裏のエレベーターの方に送り出す。
「行こう」
章は私の手を引いて、長い廊下を歩き始めた。
「えみ、大丈夫だよ。もう終わったんだ」
何度も私に、「大丈夫だ」と声をかける。
ぼんやりとした黒い視界の中で、2人の足音だけが鮮明に響く。
エレベーターの前に来ると‐章はそっと私の目元に、指を持ってくる。
(そうか。私、泣いてたんだ)
章が指で拭うと、視界が鮮明になった。
だけどまた一気に視界がぼんやりとしてくる。
泣いていたと自覚すると、また一気に涙が溢れてきた。
「大丈夫だよ、もう大丈夫」
章がそっと私の肩を抱き、崩れそうな私を支えている。
だけど、章の温もりが涙を加速させていく。
よかった、終わったんだ。
私はずっと章の胸で、泣き続けていた。
思わず顔を見合わせていると、「弟、渡辺さん」と言って誰かが肩を叩く。
顔を上げるとやっぱり。志木さんだった。
「もう野次馬ができてるし、帰ろう。裏口にタクシー呼ぶよ。僕は店舗に行ってくるから、裏口で待ってて」
志木さんは私が持ってるものを受け取って、私達を裏のエレベーターの方に送り出す。
「行こう」
章は私の手を引いて、長い廊下を歩き始めた。
「えみ、大丈夫だよ。もう終わったんだ」
何度も私に、「大丈夫だ」と声をかける。
ぼんやりとした黒い視界の中で、2人の足音だけが鮮明に響く。
エレベーターの前に来ると‐章はそっと私の目元に、指を持ってくる。
(そうか。私、泣いてたんだ)
章が指で拭うと、視界が鮮明になった。
だけどまた一気に視界がぼんやりとしてくる。
泣いていたと自覚すると、また一気に涙が溢れてきた。
「大丈夫だよ、もう大丈夫」
章がそっと私の肩を抱き、崩れそうな私を支えている。
だけど、章の温もりが涙を加速させていく。
よかった、終わったんだ。
私はずっと章の胸で、泣き続けていた。