3年後、あの約束の続き
すると章は、私の顎をクイっと掴む。


「女王サマ?勿体無い。にっこり目を見て笑うと可愛いのに 」


そう言って私の目をじっと見る。

私は思わず手を払いのけてしまう。



「セクハラじゃないよ。ただの提案」

そう言って彼は立ち、席を後にする。


‐やばい
天然か、それとも確信犯か。どちらだ。


もっとも・・・彼は『女嫌い』だったはずなんだけれど。
それすらも、彼のフェイクなのか?



『あの町』の記憶は、私の捏造なのではないか。
辛い現実を忘れるための、捏造。


きっとそうだ。
そうでないと・・・私の心臓が持たない。
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