３年後、あの約束の続き
よーくその白人男性を見ていると、何となく見覚えがあった。


あ、そうだこの人。



「エリック・オルセンだ・・・」
私より前に、橋本が呟いた。

そうノルウェーの本社、経営企画販売促進部に在籍するエリック・オルセン。
章の直属の上司。
世界中の支社のマーケティングを分析し、販促の企画を立てるスペシャリスト。
多分世界中の支社の人間は知っているであろう。それほどのエリート。


いくら章の上司とは言え、さすがにエリック・オルセンが私に会いたいはずはない。

２人の会話を見つめていると‐誰かが私に近づき、肩を叩いた。
振り返りその人物を見ると、思わず目が点になる。


「Tudo bem? Manami．」

相変わらず、綺麗な発音のポルトガル語を喋る。
間違いない。


「Gabriel・・・」
ガブリエウだ。

和やかにオルセン氏と会話していた章も、ガブリエウを見ると固まってしまった。


‐君たちに会いに来たんだよ

ガブリエウは笑いながらそう言って、私を見た。
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