3年後、あの約束の続き
開店したばかりの地下の喫茶店で、原田さんと向かい合わせで座る。
まだお客さんは、私達入れても数人だ。
ちなみに清水部長には
「まなちゃん借りて打ち合わせしてきます。いいですよねぇ~?」
と原田さんが圧力をかける笑顔で言うと、あっさりと許可が下りた。
多少、清水部長の顔がひきつっていたのは気のせいだろうか。
アイスコーヒーを2つ注文し終わると、私は原田さんに、「エリック・オルセンに一緒にポルトガルで働かないかと言われた」とだけ伝えた。
原田さんは顎が外れたようにポカンとしていたが‐数秒後、表情が戻って「確かに独・伊なら話せる人は多いけど、ポルトガル語は聞いたことないわねぇ」と。
「まなちゃんどうするの?行くんでしょう?」
そう聞かれると、私はうつ向いてしまう。
「何でよう。チャンスじゃないのよ?」
原田さんが畳み掛けるように言った。
確かに、願ってもみないチャンス。
‐だけれど。
「原田さん、大切な人と天秤にかけなきゃいけないものって何でしょうか?」
その言葉を聞くと、原田さんは完全に黙ってしまった。
まだお客さんは、私達入れても数人だ。
ちなみに清水部長には
「まなちゃん借りて打ち合わせしてきます。いいですよねぇ~?」
と原田さんが圧力をかける笑顔で言うと、あっさりと許可が下りた。
多少、清水部長の顔がひきつっていたのは気のせいだろうか。
アイスコーヒーを2つ注文し終わると、私は原田さんに、「エリック・オルセンに一緒にポルトガルで働かないかと言われた」とだけ伝えた。
原田さんは顎が外れたようにポカンとしていたが‐数秒後、表情が戻って「確かに独・伊なら話せる人は多いけど、ポルトガル語は聞いたことないわねぇ」と。
「まなちゃんどうするの?行くんでしょう?」
そう聞かれると、私はうつ向いてしまう。
「何でよう。チャンスじゃないのよ?」
原田さんが畳み掛けるように言った。
確かに、願ってもみないチャンス。
‐だけれど。
「原田さん、大切な人と天秤にかけなきゃいけないものって何でしょうか?」
その言葉を聞くと、原田さんは完全に黙ってしまった。