3年後、あの約束の続き

「終わりました。瀬崎さんありがとうございます」

時間は夜9時少しを回ったぐらい。
無事に終了して帰れることになった。

「瀬崎さん、先どうぞ。戸締まりするので」
そう言うと「じゃぁ下で待ってるよ」と言って出て行った。

・・・一緒に帰る気なのか。

さすがに断っても角がたつし困ったなぁ・・・と思いながら、戸締まりをしてビルの管理センターへと向かう。
鍵を看守の人に返して、ビルのエントランスへと向かった。

ビルの入り口に行くと、章は柱にもたれ掛かって携帯を見ていた。
私が近づくと、コツコツ響くヒールの音に気付いて顔を上げる。

「じゃ、帰ろうか」
そう言って2人で駅まで歩く。

並んで歩くと、随分と章の身長が伸びたように感じる。
私はヒールを履くと165センチぐらいはあるが、章の目線は10センチほど上だ。
昔は私と身長を競いあっていたのに。


駅の改札口ですれ違った女子2人が、一瞬振り返って私達を見た。
「いいな、イケメン彼氏」と呟いている。
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