3年後、あの約束の続き
「瀬崎さん、あなたの経歴がイマイチ謎なんですが・・・」
バスを待ちながら、章に話しかける。

「何?俺に興味ある?」

「人並みにですけど」
いや、かなり。


「大学は理工学部で、経営システムが専攻だったよ」
頭にはてなマークが浮かぶ。

「ま、プログラミングとかサーバー構築とかは必須で、あとは経営理論とか統計解析とか、そんな感じ。わかった?」

「何となく、ですけど・・・」
とりあえず難しそうなことはわかった。

するとふふふっと章は笑う。
「俺的には渡辺さんの方が興味あるんだけどね」

「知ってるでしょう、私の経歴は」
おそらく、会社の資料に全部書いてあるはずだ。

「ま、学歴以外のね。例えば・・・君が『待っている人』とか」

やっぱり聞いていたんだな。
「あの…」と言いかけたところで、バスが到着する。


「とりあえず、30分は付き合ってもらうよ」


そう言って章は私の背中を押して、バスの中へと押し込んだ。

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