散る桜
47


「……生きていても、いいの?」

思い出の中の彼女が笑った。


「しいちゃんの業、おばあちゃんが代わってあげる。だからもう二度と、一人で死のうなんて、しないでちょうだい」

祖母はそう言って泣いた。

「もう、忌地には行かないでちょうだい」


左の手首に残るキズが、ずきずきと痛んだ。

彼がこのキズに草を巻いてくれることは、ないだろう。永遠に。
< 47 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop