誓いのキスをもう一度
「プリン、ください。ひと・・二つ」
「はい。かしこまりました!」と笑顔で言う俊朗太さんにつられるように、私もつい、ニッコリ笑っていた。

「うちのプリンはね、どっちかっていうと小さいっちゃけど、こんくらいの大きさが丁度良くてうまかーって評判なんよ。それとー、年配の人が食べやすかごと、軟らかめに作っとーと。甘さも控えめやけんね。それが人気の秘密っちゃん」

プリンを詰めながら、その魅力を訥々と語る俊朗太さんは、恐らく彼の自作と思われるそれを、こよなく愛している様子がうかがえる。
お店に出す売りものである以上、どれも俊朗太さんの自信作であることには違いない。
だからつい、私の分まで買うことにしてしまった。

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