Haru Koi
~ 遠足 ~
今日は高校生活最後の遠足!
遥哉と私は同じ班だ。
楽しんでくれるといいな…

「遥哉!バスこっちだよ~!」

「咲菜歩くの早いって。」

「遥哉が遅いんだよ!遅れちゃうよ~」

「わかったから待ってよ咲菜」

こうして喋ってると普通に友達だ。
でもこの会話も遥哉は忘れてしまうのか。

「ついたぁ~!京都!!空気がいいね」

「俺初めて来たのかな、京都。」

「どうだろうねぇ。私とは初めてだよ!だからめいいっぱい楽しもうね遥哉!」

「おう。」

………

「この城みたいなのは?」

「これは金閣寺って言うんだよ!全部金箔貼ってるんだよ~すごくない!?」

「へぇ。すげぇな。」

「おい遥哉~金閣寺も知らねぇの?笑」

「ちょっと直樹そんな言い方ないでしょ」

「いや、いいよ咲菜。ごめんごめん直樹、俺めっちゃ馬鹿なんだよ笑」

「ほんと馬鹿にも程あるだろ~笑」

遥哉、今どんな気持ちで笑ってるんだろう。
何も知らない人達に色々言われて。
見てるこっちが辛くなるよ…

「遥哉!次は清水寺行くよっ」

「清水寺か。なんか雑誌で見た気がする」

「そっかぁ!楽しみだねっ」

………

「清水坂で買い物でもしようよ!お土産買いたいし私!」

「いいよ。俺咲菜についてくだけだし。」

「八つ橋ってお菓子がすごい美味しいんだって!買ってみよ」

なんか遥哉が楽しそうかも。
こっちまで嬉しくなっちゃうじゃん!

「さあ~生徒みんな集まってるか~帰るぞ」

「もう帰るんだね~早いよ」

「おい咲菜、これやるよ。」

「え?私にくれるの?ありがとう!すっごい嬉しいよ遥哉!!」

「まあ、今日のお礼ってやつ。」

中身はストラップだった。
嬉しくて涙が出そうだった
多分、いや絶対に一生の宝物だ。

遥哉と遠足に来れてよかった
きっと楽しい思い出になったはずだよね。
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