あなたを好きにならないための三箇条



〜〜〜


「…とにかく、もう瑠衣に関わらないで」


話だけは聞いてあげると言った少女は俺にそう言う。

まっすぐに俺を見つめる瞳は強い意志を宿していた。

なのにどこか怯えているようにも思えた


「…どうして?」


ニヤリと笑んで返せば紗奈と呼ばれた少女は顔を赤くして怒りに身を任せたように俺の胸ぐらに手をかける


「…また、あの子を傷つける…!」


少女は如月瑠衣よりも背が低いらしい。
それでも強い瞳に見上げられ一瞬心が揺らいでしまった
しかしそれを持ち直し自分の意見も変える心はないと視線を向ける

それに、紗奈が言った “また” が気になって仕方がない。
まるで一度深く傷つけられたような言い方じゃないか。


俺にそのような記憶はない。


ならば他の誰かだろうか…?



如月瑠衣の男を軽蔑するような言動はそこから来ているのだろうか。


けれど…
『男の怖さ以外を教えてあげる』
約束したから。


軽蔑された男の1人であるとしても俺は如月瑠衣を諦めるつもりはない。


悔しいじゃないか。




男と女
異性という関係上“相手を知りたい”と手を出すことは不可欠なのだろう。

人間の作りとして女は男よりもきっと弱い。

だから女が男に虐げられる時代だってあったんじゃないか。


けれど…今は違う。
男も女も1人の人間としてみられている。



だったら虐げ弄んでいいはずがないんだ。



…俺は案外感情移入しやすいタイプだったらしい。



彼女を

如月瑠衣を怖がらせる原因になったものが




憎くて仕方ない





…きっと、君も俺と同じ気持ちなんでしょ?


紗奈


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