秘密の会議は土曜日に
「プロジェクトマネージャとしての言葉と、俺個人の意見。どっちも本音だよ。……わかってくれ」


宗一郎さんがグラスに入ったお酒を飲んだ。薬でも飲み込むように、酷く苦そうな顔をして。


「わかりません……私は、ただ、宗一郎さんのために働けることが、嬉しかったんです。

必要とされたかったんです。

どうでもいいと……思われたら……」


もう一度静かに「違う」と言われ、画面を見つめると部屋の片隅に見てはいけないものを見つけてしまった。


見覚えのある華奢なピンヒール、ひとつが倒れているから、慌てて脱いだみたい。部屋の中まで土足のホテルの部屋で、靴を脱ぐのがどんなことかは私にだってわかる。


「あ……、あ……。


ごめんなさい、もう連絡しないでください」


「理緒?」


怪訝な顔をした宗一郎さんに構わず通話を切り、電源もOFFにした。



頭がクラクラして何も考えたくない。とりあえずやらなきゃいけない仕事があって良かった。咳止めを飲んでマスクを着けて、機械的に頭を仕事に切り替えた。



「寒っ……」


休日のエヴァーグリーン社はさすがにがらんとしている。人が少ないせいで気温も低くて、端末を操作していたら手足が震えてくる。




「あれ?お前今日こんなとこで何してんの」


「鴻上……くん……?」
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