秘密の会議は土曜日に
「ひっく……違います。私は恋愛とは無関係に生きておりますので。」


「うんうん、わかったわかった。

でもさー、ぶっちゃけあんなほったらかしの髪型してたらフラれてもしょうがなくない?

……はい出来上がりだよ。丸ノ内あたりにいそうなOLって感じになってるでしょ。

ね、可愛いは作るもんなの。分かった?」


顎の上くらいの長さになった髪に恐る恐る触ると、するっと滑りツヤツヤとしている。それに髪が横に広がることもなくて、軽い触り心地になっていた。


恐ろしいことに前髪は額が覗くほどの量に減らされて、眉毛が見え隠れする長さとなっている。


「これでは顔が隠れませんね。」


「髪で顔隠してる人、普通いないから……。

でもさ、自分で言うのもなんだけどけっこう可愛く仕上がってない?眉も綺麗になったし、来たときとは全く別人だよ!

そりゃ誰もが振り返る美人って訳にはいかなくてもさー。女の子なんてだいたいそうでしょ。あとは化粧とかで頑張るの。」


「いえそういったお気遣いは無用です。ご親切にありがとうございました。」



「これからちゃんとヘアケアしてよね。三ヶ月以内にはまたここに来ないと駄目だよ。」


帰りがけに髪を乾かすためのオイルやら、髪につけるスタイリング材やらを言われるままに購入し、お会計は1万5800円と予想したよりずっと高くなった。


「本当に、世の女性は大変ですね。私も閣下と仕事をしている間はこの髪型を維持せねば……。プロジェクト、どれくらいの間続くんだろ。」


しばらくはエヴァーグリーンに常駐するとして、プロジェクトが終わったらまた会社に戻ることになるんだ。


使えないと思われながら働くのは、辛いな……。




「お姉さん、一人で泣いてるんですか?」
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