【続】ねぇ…先生。。





「………亮二のせいだよ」

小さな声で呟く


でもきっと亮二には届かない。

だって本当に小さな声だったから。



「ごめん

私、次の講義受けないや」

それだけ言って席を立つ


もうこれ以上亮二と一緒にいちゃいけない。

なんだかイヤな感じがするんだ。



亮二は何も言わなくて。

背を向け部屋を出た。


もう講義が始まる時間

賑やかな大学の中が少し静まる。



そして私は感じていた。

後ろから私を追いかける足音があることに。


校内から出て中庭を走る。

やっぱり、来てる



亮二だ…


きっと、亮二


捕まっちゃいけない。

今はダメだ…絶対。


私は全速力で走る。

高校時代にも負けず劣らずの速さで走る。



未来といつも走っていたおかげで
私の足は結構速い。


未来…ありがとう


今になって足が速くてよかった、

そう思えるよ。





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