はっぴーえんど。
「ありがとう。ねぇ、俺とした約束覚えてる…?」

彼女は急に目を見開き困ったように笑顔を向けた。

「覚えてるよ。」
君は多分、俺がこれから言うことを分かってる。
俺がどれだけずるいのかも、どれだけ我儘なのかも分かってる…。
でも……言わせて。

「鈴…俺と付き合って。ずっと、ずっと…好きだった。……誰よりも想ってる。」

カフェの人の視線が俺たちにかかるのが分かる。

しばらくの沈黙のあとに君は重い口を開いた。

「よろしくお願いします。」
君は満面の笑みで俺を見た。
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