はっぴーえんど。
そんな幸せが崩れたのは私が小学5年生の夏だった。

私は夏休みの間、ミニバスが終わると夜の6時までお父さんとバスケの練習をしていた。
いつも、お父さんは手加減をするけど、なかなか勝てない。

その日も、公園のゴールに3pシュートを決めようとするが、ボールはいることなく、跳ね返った。

「まだ3pなんて早いんだよ。」
お父さんは私の顔を見て笑った。
「つ、次は入るもん!」
私はボールを追いかけながらお父さんに声をかける。
ボールは公園を出て、道路へと転がっていった。
私は左右を確認してボールを取りに行った…はずなのに…


右には大きなトラックが迫ってきていた。

気づいた時には、私はお父さんの腕の中で宙をまっていた。


原因は飲酒運転だった…。

ここから、私の幸せは音を立てて崩れていった。
< 206 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop