なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー
「夜になると明かりが灯った街が川に反射して映って綺麗なんだよ。
何か辛いこととかあった時にいつも来てるんだ。
辛い時にこの景色見てるとなんだか心に染みてね?
しばらく眺めて癒されて帰るんだ」
「あ、私もそれ思ってた!
心に染みるし、ずっと見ていられるなって」
「ほんと?
よかった、おっさんみたいとか言われたらどうしようかと思ったよ」
翼くんの笑顔が更に私に癒しを与えてくれる。
ここの場所のことは知ってたけど、夜になるとこんなに綺麗な景色になるなんて知らなかったな。
翼くんに教えてもらってよかった。
何があったかなんて翼くんは聞いてこないけど、この光景に癒されたせいか閉ざしていた口がゆっくりと開いた。
「今日ね、深侑に誕生日プレゼントを渡されたの。
でもそれが私を責められているみたいで拒否しちゃったんだ。
家に帰ってもお父さんとお母さんはいつもより静かなのもやだし。
だから図書館で勉強して、遅く帰ろうかなって思ってたところだったの」
そんな時に翼くんに会った。
翼くんに会えて、こうやって家に帰るのが遅くなってよかったって思ってる自分がいる。