キライ、じゃないよ。
「樫、今彼女いたっけか?」

「は?なんだよ、突然」

「……いなかったな。そういえば2年前に別れたんだっけ?『仕事と私どっちが大事なの?』って聞かれて『仕事』って即答して平手食らったんだっけなぁ?」


自分の頬を平手で叩くジェスチャーを見せながら、山近はニヤニヤ笑う。


「オイ、コラ。喧嘩売ってんのか?泊めてやんねぇぞ」

「おわ、悪い。すんませんっ……って汚ねぇ」


慌てて両手を擦り合わせた調子のいい山近に手羽先の骨を投げつけてやった。


「俺に彼女がいるのと、同窓会乾杯になんの繋がりがあるんだ」

「いや、俺も今は付き合ってる子いないだろ?……てか、ぶっちゃけ高校卒業してから、まともに付き合えた試しがない」

「……お前に問題があるからだろ」

「わ、分かってる。理由もちゃんとな」


山近はやんちゃでノリが軽いから、女友達は多い。その友達から彼女に進展したのも何人かいたが、いつも長続きしない。

1番長く付き合えていたのが、多分高校の時に付き合っていた幸島 香だけだったと思う。


「幸島、来るのか?」

「幹事からは来る、って聞いた」


返す言葉と表情がマジだ。
とすれば、コイツが言いたい事は分かった。


「……より、戻せんのか?」

「俺だけだと無理……だからさぁ、樫、協力してくれよ」


情けない顔して何言ってんだ。

他人の恋愛なんて興味ないし、巻き込まれるのは面倒臭い。

正直速攻断るつもりでいた。
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