キライ、じゃないよ。
今日は流石にアルコールは飲まないかな。

そう考えて黒烏龍茶を頼んだ。

八田くんも私に付き合ってくれたのか、同じものを頼んでいる。

お肉は八田くんが適当に選んでくれて、サイドメニューのサラダだけチョイス。


「女の子だなぁ。俺ら同僚と来たら、肉を食いに来たんだから、肉を食おうぜなんて言って肉オンリーだからね」

「そうなの?ガテン系の人がお肉にかぶりつくの見てるとすごく迫力があるけど、そんな感じかな?」

「同じ、同じ。翌日はもう女子社員から近寄るな!ってものすごく嫌がられる」

「ニンニクの匂いとか、キツそうだもんね。一緒に食べてる時は分からないんだよね。自分も発してるから」

「そう、だからさガッツリ肉食った翌日は、◯レスケア飲みまくってるよ」


運ばれて来たお肉を焼きながら、八田くんの話を聞いているとおかしくて、笑えて仕方なかった。

最初に感じていた、2人きりで食べに行く事の躊躇いは既に吹き飛んでいた。


「ほら、皐月さん、鳥焼けたよ。食べな」

「待って、もう私お腹一杯。八田くん食べて。ほら、トング貸して。私が焼くから」

「え、もう?少ししか食べてないんじゃん」

「男の人と同じ量食べれるわけないし!」

「そっかぁ……俺、女の子と食べに行く事ってないから量加減してなかった」

「だと思った!焼く量が半端ない」


ケラケラと笑い声を立てる私を見て、八田くんは「しまった〜」なんて照れながら笑う。


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