君が初恋でした。
第1話 事故
小学校6年生のある日曜日。
私は家族で山登りに来ていた。少し険しい場所もあるが、行楽にはとても最適な場所だ。
実際、家族では何度も登っていて、今日も楽しく登っていた。

「やっぱ楽しいね!!」妹の亜美が言う。
そうだね、と父と母。
妹はルンルン気分でスキップをしている。

「こら、あんまりはしゃぐと転ぶわよ」
そう、母に注意されていたのに、久しぶりのお出かけに私も妹も心が踊っていたのだろう。だからなのだろう。私はきづかなかった。
そこに崖がある事なんて。


私が足を外に踏み出した瞬間。
身体が宙に浮いた。父と母の声と手が伸びてくる。掴もうとした。掴めなかった。
これは落ちる。私、死ぬのかな。
真夏の青い空が私を吸い込もうとしているようだ。あぁ…もっと生きたかったな…
お父さん、お母さん、亜美。ごめんね…
こんなどじな娘で…
ガンッ!!!!!!!!!


意識が。途絶えた。
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