好きって言ってもいいですか?

まずはお魚。
イルカとかのショーもやってるみたいなんだけど、それまではまだ少し時間があるから、それまではお魚を見て回る。

「…おいしそー…」

素で言ってしまった一言。
そんな私に吐き出す夏目さん。

「ここ、水族館だから、それは禁句じゃない?面白いな、亜子ちゃん」

目を細めて笑う夏目さんはとてもかっこよかった。
私、この人の隣にいて、ちゃんと釣り合ってるのかな。

…って、なにそんなこと考えてるのよ!今日は半ば強制的に連れてこられただけで…。
「そ、そうでしたね、すみません」

そう言って私はそそくさと次のエリアへ行った。
顔見られたくないし、なんとなく恥ずかしくなってきたから…。
< 23 / 169 >

この作品をシェア

pagetop