ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
実業家や経営者などハイクラスの方々が一堂に会するような大規模なパーティーにも、いつかは朝羽さんの妻として出席しなければならないときが来るかもしれない。

そのためにも、今日の会で少し免疫をつけておこう……。


緊張しながら、朝羽さんが新調してくれたネイビーのパーティードレスに着替える。ドレスコードはないにしても、カジュアルすぎる服装ではさすがに行けない。

レースでシースルーになっている五分丈の袖と、ティアードフリルのスカートがエレガントなドレス。

それを纏い、肩につくくらいの髪の毛も緩めのお団子にして、身支度を済ませると朝羽さんの愛車に乗り込んだ。


黒光りするボディには、高級車メーカーのエンブレムが輝く。初めてこの車に乗せてもらったとき、運転する彼の姿に胸をときめかせずにはいられなかった。

素敵なのは、凛々しい横顔と、ハンドルを操る男らしい手や仕草だけじゃない。七分丈の薄手のジャケットに黒のパンツを合わせた、スマートカジュアルな服装も言わずもがな。

私のパートナーにはもったいないくらいの彼に、今日もあっさり見惚れてしまいそうになっていると、ボソッとこんなひとことが呟かれる。

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