彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




パトロール、1日目

最初にしたのは、巡回コースを覚えること。

会長さんの案内で、パトロールする道を一緒に歩く。



「商店街だけじゃないんですね?」

「がははは!あくまで、町全体だからな!」

「それをボランティアでするんですね・・・」

「会長、ここもルートでしたっけ?」



一緒に歩いていた瑞希お兄ちゃんが会長さんに聞く。



「前は、コースに入ってなかった気がしますけど?」

「気づいたか、サナちゃん?実はな、新しく追加したパトロールコースなんだ。」

「「追加?」」



声をそろえて聞き返せば、会長さんは渋い顔で言う。



「最近このあたりで痴漢が出てるんだよ。」

「「痴漢!?」」



再度、声をそろえて聞き返せば会長さんは言った。



「そう、痴漢なんだよ。だからサナちゃんさ、うちの孫のスカートをはいて歩いてくれないか?」

「はかねぇよっ!?」



〔★瑞希はスカートを断った★〕



「やっぱダメか!囮にしたかったんだがな~!がはっはっはっ!」

「普通にダメですよ、会長さん!いじわるはしないでください!」

「大丈夫だ。チョコちゃんには、はさせないから。」

「俺は良いのかよ!?」

「てことで、痴漢もだけど、ストーカー被害も出てるからパトロールしてんだよ。」

「俺の質問は無視か!?」

「警察には報告してるんですか、会長さん?」

「まったくだめだ!実際に被害にあってないと見回りを増やすしか手段はないらしい。」

「警察って、意外とつかいにくいんですね・・・」

「まったくだ!あいつらはストーカーを甘く見過ぎだぜ!」



元被害者である瑞希お兄ちゃんの言葉説得力がある。



〔★瑞希はレアケースだ★〕





< 186 / 534 >

この作品をシェア

pagetop