彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「どうしてこんなことに・・・」



ぐったりした坂口さんを見ながらつぶやけば、気まずそうになずなちゃんが教えてくれた。



「その子・・・成績を上げるために、ドラッグを飲んだらしいの。そのうち、ドラッグを売る側にもなって・・・1人紹介すれば、一回分、タダでドラッグがもらえる約束をしてたんだって。」

「それがなぜ、ここに?」

「きゃははは!薬代払えなくなったから、ウリをすることになったんだよ。」



言ったのは、最初に話しかけてきた化粧の濃い子。

喜々とした顔で、頼んでもないのにしゃべってきた。



「元々、前借で薬をもらってたのに、借金返すどころ、売りものの薬にまで手を付けたわけ!けっきょく、金が払えないから連れてこられたの!」

「誘拐されたんですか?」

「金を回収するために、働いてもらってるだけよ。薬ほしさに、男と寝てるわけ~そうまでして、お勉強頑張りたいのかねー?きゃははは!」

「笑い事じゃないでしょう?」



カチンときたので言い返す。

それに相手もムッとした顔をする。



「なによ?あたしに文句あるの!?」

「やめて下さい!ちあきさん。」



化粧の濃い子を、なずなちゃんがそう呼んだ。

私達の間に割って入りながらなずなちゃんは言う。



「新入りだから勘弁してあげて下さい!君も、謝って!」

「申し訳ありませんでした。」



癪だったけど、なずなちゃんに言われるがまま、90度のお辞儀をして謝罪する。



「謝るの早いな!?」



私の謝罪に、呆れるように言う派手な女子。



「男が簡単に頭下げてダセー!」



そう言ってバシッと頭を殴られた。

ムカついたけど、我慢我慢・・・。

頭を上げれば、叩いた子が私にガンを飛ばしながら言う。



「あんた、なずなを探してるの?」

「え?」

「なずな探しに来て、捕まったわけ?笑えるんだけど?」

「だから笑ってるんですか?」



冷めた思いで聞けば、相手の表情がゆがむ。



「お前生意気なんだよ!?」



今度は胸倉をつかまれる。

攻撃する気はなかったので、受け身を取ろうと思った時だった。



< 334 / 534 >

この作品をシェア

pagetop