彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「どうしてこんなことに・・・」
ぐったりした坂口さんを見ながらつぶやけば、気まずそうになずなちゃんが教えてくれた。
「その子・・・成績を上げるために、ドラッグを飲んだらしいの。そのうち、ドラッグを売る側にもなって・・・1人紹介すれば、一回分、タダでドラッグがもらえる約束をしてたんだって。」
「それがなぜ、ここに?」
「きゃははは!薬代払えなくなったから、ウリをすることになったんだよ。」
言ったのは、最初に話しかけてきた化粧の濃い子。
喜々とした顔で、頼んでもないのにしゃべってきた。
「元々、前借で薬をもらってたのに、借金返すどころ、売りものの薬にまで手を付けたわけ!けっきょく、金が払えないから連れてこられたの!」
「誘拐されたんですか?」
「金を回収するために、働いてもらってるだけよ。薬ほしさに、男と寝てるわけ~そうまでして、お勉強頑張りたいのかねー?きゃははは!」
「笑い事じゃないでしょう?」
カチンときたので言い返す。
それに相手もムッとした顔をする。
「なによ?あたしに文句あるの!?」
「やめて下さい!ちあきさん。」
化粧の濃い子を、なずなちゃんがそう呼んだ。
私達の間に割って入りながらなずなちゃんは言う。
「新入りだから勘弁してあげて下さい!君も、謝って!」
「申し訳ありませんでした。」
癪だったけど、なずなちゃんに言われるがまま、90度のお辞儀をして謝罪する。
「謝るの早いな!?」
私の謝罪に、呆れるように言う派手な女子。
「男が簡単に頭下げてダセー!」
そう言ってバシッと頭を殴られた。
ムカついたけど、我慢我慢・・・。
頭を上げれば、叩いた子が私にガンを飛ばしながら言う。
「あんた、なずなを探してるの?」
「え?」
「なずな探しに来て、捕まったわけ?笑えるんだけど?」
「だから笑ってるんですか?」
冷めた思いで聞けば、相手の表情がゆがむ。
「お前生意気なんだよ!?」
今度は胸倉をつかまれる。
攻撃する気はなかったので、受け身を取ろうと思った時だった。