彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「まさか『チョコちゃん』が、『龍星軍の4代目総長』だなんて思わなかった。」
(え!?『チョコ』!?)
その言葉で、見てしまった。
渕上の方を。
「凛道さん。」
目があった時、見たことない笑顔で奴は言った。
「あたし達輝夜姫も、次の龍星軍の集会に参加させてくれませんか?」
龍星軍の集会に参加?
誰を?
輝夜姫って、渕上の族よね?
え!?渕上達を龍星軍の集会に!?
(この女、龍星軍に入れろって言ってるの!?)
「ふざけんなよ!!」
私が意味を理解した時、カンナさんがブチキレる。
相手の目の前まで行くと、あらい口調で言った。
「クソ女!テメーら、あたしらと肩並べようって言うのかっ!?」
「テメー、フッチーに向かって、フザけた口聞くな!」
「なめてんのか、高千穂!?」
「あ?そんなにあたしをマジギレさせてぇーのかっ・・・・!?」
「「ひっ!?」」
低い声でメンチをきるカンナさんに、鳥海と難波がビビる。
「けっ!根性ナシが!」
それを鼻で笑うとカンナさんは言った。
「口先だけの下種が、粋がってんじゃねぇ!冗談じゃねぇぞ!?なぁ、大河!」
「そうだな。」
カンナさんの言葉に円城寺君も同意する。
「輝夜姫はあり得ねぇ。」
「俺もカンナと大河に同感だ。聞いてる評判もやってることも気に入らねぇ。」
「マジそれな!一緒に集会なんざ、笑い話にもなんねぇーよ!お断りだ!」
渕上の申し出を、爆裂弾全員が拒絶する。
「ウェイウェイウェイ!輝夜姫ってどういうチーム系?」
「元々レディースなんだけど、最近は男性も加わったらしくて・・・」
事情を知らないちーちゃんに、つなぐがヒソヒソと説明する。
「凛さん・・・」
可児君だけは、私を観察するような目で黙って見ていた。
そうしてる間にも、カンナさんはヒートアップする。