彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「ただいま~」



話がまとまったところで、ヘビースモーカーのお兄さんも帰ってきた。



「あ、お帰りなさい、烈司さん。」

「おお、凛たん来てたのかぁ~?ただいまぁ~♪一緒にDVD鑑賞しようぜ~」

「DVD?」

「今日、レンタルが安かったから借りてきたんだ。ケンタッキーもあるぞ。」



そう語る烈司さんの手には、レンタルショップの袋とカーネルおじさんの袋があった。



「オリジナルチキンの他に、ビスケットにカーネルリングポテト、野菜たっぷりツイスター、カーネルクリスピーもあるぞ?凛たん、食べるだろう?」

「え?でも、それだとみなさんの分が・・・」

「多めに買ってきてるからいいんだよ。一緒に番ご飯も食べようぜ?」

「手抜きか、烈司?」

「獅子島さん?」

「い、伊織!?」



それでギクッとした顔になる烈司さん。

そんなヘビースモーカーを、ジロッと見ながら獅子島さんは冷たく言い放つ。



「今日の食事当番は烈司だろう?楽したいようだな?」

「な、なに言ってんだよ~イオリン!」

「俺をそう呼ぶのはモニカだけだ、馬鹿者。」

「動揺しまくりねぇ。」

「わははは!金で手間を買ったってことかよぉ~!?」

「う、うるせぇなぁ!たまにはいいんじゃねぇか?なぁ、瑞希!?」



助けを求めるように言えば、可愛いお兄さんは笑う。



「そうだな・・・今月はオメー、休みなしで働いてるしな?」

「さすが瑞希!わかってるじゃん、相棒?」

「調子の良いことだ。」

「わはははは!」

「それじゃあ、みんなで食べながら見ましょうか?」

「そうだな。来いよ、凛。」

「はい!」



瑞希お兄ちゃんの言葉を受け、共有スペースである居間へと移動する。



< 68 / 534 >

この作品をシェア

pagetop