彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「準暴力団である半グレには、暴力団対策法、組織犯罪対策法が適応されない。つまり、この国じゃ、『名指しで暴力団を取り締まる法律』はあるけど、『名指しで半グレを取り締まる法律』がない。だから、ヤクザ予備軍だった奴らが半グレに流れてる。凶暴化してきてるんだ。」

「え!?そうなんですか!?」

「まぁな。最近じゃ、規則が厳しく収入も少ないヤクザになるよりも、ヤンキーやってた頃のノリで出来て稼げるから、半グレになる奴が多い。」

「うわ・・・それは楽そうな方を選びますよね。」

「そういうことだ。そんな半グレ共がビビってたのが、幡随院長政だ。あいつがJAGUARも半グレもやめて引退するってなった時、結構もめたらしいからな。」

「もめた?」

「おう。幡随院から・・・聞いてないよなー?」

「・・・はい。」



ちーちゃんから、JAGUARのことは聞いていない。

聞いたとすれば、「JAGUARやめちゃった♪」と笑顔で言ってきたことぐらい。

その上で、龍星軍に入りたいと、改めて友達になりたいと言ってきた。

だから、JAGUARだった時のことを聞くことも、聞くつもりもない。

今のちーちゃんは龍星軍の仲間だもん。



「ちーちゃんから、もめたなんて話は、一言も聞いてないです・・・」

「凛から、聞いたりはしなかったのか?」

「しません。人様のプライベートですから。」



ぶっちゃけ、瑞希お兄ちゃん以外は興味ないし・・・



〔★思いは一途だった★〕



「そうだな・・・踏み込まないのが、凛の良いところだったな。」

「そ、そんな~」



〔★瑞希は良い意味で解釈した★〕





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