エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
like a sweet chocolate

小悪魔な彼の大胆な告白

悠斗さんが私の前から立ち去ってからも私はその場からしばらく動けずにいた。

聖さんが私を結婚相手に選んでくれたのは絶対に彼に対して恋愛感情を抱くことのないだろう考え方が正反対な相手だったからなのに。

聖さんに対して恋愛感情を持ってしまった今の私は、きっと聖さんにとってとても厄介な面倒くさい女に違いなくて、この感情が聖さんにバレてしまったら幻滅されるだろう。

そう思うとまた視界が揺らぐ。兎に角、一旦気持ちを落ち着かせようと深呼吸をしてみても、じわりと押し寄せてくる悲しみと苦しみのループは収まることを知らない。

さっきから鞄の中で携帯のバイブ音が鳴っているけれどもその相手を確認する気にはとてもなれなくて無視してしまっている。

はぁーっと吐いた重い溜息がスッと儚く宙に消えていく。

これから私はどうしたらいいのだろう? その答えが出せぬまま、重い足取りで歩き出した。

寒さで凍えそうになりながらクリスマスイルミネーションで彩られた煌びやかな街を彷徨い続けることしかできない。

頭上を見上げれば冷たい雨が降ってきてますます私の体温を奪っていく。それでも、まさかこの状態で聖さんのマンションに帰る訳に行かない。

凛華のところに身を寄せたいけれども涙でぐしゃぐしゃなこの顔で公共機関に乗る気にはなれないし、週末ということもあってかタクシーも捕まらない状態だ。

「私、本当に何をやってるんだか……」

思わず、天を仰いだそのとき。
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