エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
幾ばくかの緊張を抱きつつ、聖さんの実家に到着した。

「お久しぶりでございます。聖坊ちゃん、紗凪様」

私たちを最初に迎えてくれたのは執事の影山さんだった。

「お久しぶりです。入籍の際は可愛らしいタルトをありがとうございました。すごく嬉しかったです」

私は影山さんに向かってペコリと頭を下げた。

「いえいえ。喜んで頂けたなら嬉しく思います。聖坊ちゃんと仲良くやられているようですね。おふたり共、幸せオーラが輝いて見えますよ?」

ニコリと微笑み私たちを交互に見る影山さんに聖さんと私は顔を見合わせて笑いあう。

「ところで父さんはどこにいる? 話があると呼ばれたんだが」

「応接間でお待ちですよ。さぁ、こちらへ」

影山さんが聖さんと私を家の中へと促した。長い廊下を歩いていたらなんだか急に胸がそわそわとし出して、そして落ち着く間もないままーー
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