エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
『紗凪、最近仕事はどうだ?』

「忙しいけど楽しくやってるよ」

『そうか。体調には気をつけてな。そういえば送った酒は届いたか?』

「あぁ、ごめん。届いたけどまだ飲んでない。今度、凛華と一緒に飲もうかと思ってて」

『そうか。飲んだらぜひ感想を聞かせてくれ』

「うん、わかった」

私の父は東北の田舎町で曽祖父の代から続く造り酒屋を経営している。試作が出来るとこうやって親元を離れて暮らす私に送ってきて感想を求めてきたりする。

『ところで今週末、こっちに帰って来る事は出来るか?』

「えっ? 特に予定はないから帰れるけど、なんで?」

どうやら本題は別の事だったらしい。

『……大事な話があるんだ』

「…え? それって電話じゃダメなの?」

『あぁ。会って直接話したい。兎に角、帰って来なさい。話はそれからだ』

「……あ、うん。分かった」

『それじゃあ、土曜日に』

どこか深刻そうな声色に色々な心配が過って電話を切った後も心音が落ち着く事はなかった。
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