愛する妻を口説く方法

営業で、たまたま美海の会社の近くに行った。
引き継ぎもあり、後輩の女の子 神谷も一緒。

そこで美海が言っていた、カフェを見つける。
お昼時だし、美海に会えるかもしれない。

そんなことを考え、店に入った。
が、美海の姿はない。

まぁ、そんなにうまくいくはずはないか。

「倉田さん、この店よく知ってましたね。」
「あぁ、妻が気に入ってるからな。」
「倉田さんって、ほんと奥さん好きですよね。」
神谷が笑う。
「ディナークルーズ行きました?」
「まだ。確か来週の土曜日だよ。」
「奥さん、喜んでくれるといいですね。」
美海のことを考えると頬がにやける。
「せっかくだから、1日デートしようと思ってるんだ。でも、プランで迷ってる。」
後輩になにを話してるのか……

「倉田さんって、奥さんと付き合って長いんですよね?」
「高校生からだから、もうすぐ15年かな。」
「15年ですか?!それなら、思い出の場所巡りとかどうですか?
私もこの前彼氏とやったんですけど。はじめの頃の気持ち思い出して新鮮でしたよ。」
ふむ。
自分でアルバムを見たときは全く参考にならないと思ったけれど……

「それ、いいかもな。」

日中、思い出巡りして……夜は豪華ディナークルーズ。
そのギャップもいい。

「うまくいったら教えてくださいね」

神谷がからかうように笑う。

「報告するよ。」

久しぶりのデート、美海は楽しんでくれるだろうか。
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