これはきっと恋じゃない。
「どう、尊弥くん、おいしい?」
「はい、上手いです」
お母さんはそれを聞いて満足げに笑っている。
時々、尊弥に話しかけては
「かっこいい」を連発している。
まるで、女子高生みたいに。
お母さんのテンションが高すぎて、
私よりもむしろお母さんの方が女子高生っぽいんだけど...
「ねえ、ところで尊弥くんは彼女とかいるの?」
なんて唐突にガールズトークが始まる。
私はその会話に加わることもなく唐揚げに手を伸ばす。
「いないです」
尊弥本人も興味なさげに答えてご飯をほおばっている。