亡霊
「嘘つくなよ、じゃあ誰が命令したって言うんだよ。


莉乃じゃないなら、お前しかいない」



ニヤリ、とりいが笑う。


「どうして莉乃じゃないって思うの?」



そんなのーーーー




「莉乃の訳ない!!


莉乃は、そんな奴じゃない‼」



いつだって人を想い合う優しい子だ。

 莉乃が、あの二人を殺害したなんて思えない。


 莉乃じゃない、誰かだ。


「まあ、いいけどさぁ、だけどーー


信じてて裏切られた時、あんたきっと狂うよ」



冷めた目で、見るりいが居てーー


精神科医も、看護士も


なんとも言えない表情で、俺達を見ていた。


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