亡霊
「莉乃は、私が嫌いなの。
殺したいほどにーー」




そんなわけない。


莉乃は、アミが好きだった。

大切な親友だ。



「ありえない。


莉乃が、なんでーーー?」




「私が、歩を好きになったから」





!!!アミが俺をーー?


アミはニコリ、と微笑む。



いつの間にか、オレンジ色の夕日が、部屋に差し込む。



「私が告白したの、見られてたの。


だけど私はただ、伝えたいだけだった。



歩が、莉乃を好きなのは分かってた。


邪魔するつもりもなかった。

だけどーーーー」




あれは、私が委員会でいない莉乃を見計らい歩を連れ出した校舎から、離れた一角。



< 37 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop