亡霊
ー 深夜の病院は、ヒンヤリと冷たい。


ナースステーションを突破すればいい。




カシャン………先の尖るナイフがキラリと光る。


先端には少し血がついている。



ずっと鳴り続くナースコール。



誰も取らない。



「出ないと、切れちゃいますよ?


あっ、そっかーー"出れないんだよね"。



みんな、死んじゃったから」




ナースステーションは、血の海だった。


首は裂かれ、パックリと開いた切口からドクドク止まらない出血。



「私の邪魔したから、こうなったんだよ?」



ふふ、と乾いた笑いが込み上げては消えた ー



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