守りたい人【完】(番外編完)
出口のない迷路にでも迷い込んだ気分だった。
放っておけばいいのは分かっている。
分かっているけど――。
「あ~っ、腹立つ」
頭を掻きむしって、そう叫び、勢いよく風呂セットを掴んで自室を飛び出した。
これ以上考えたら、頭がおかしくなる。
第一、なんで俺がこんな事で悩まなきゃいけないいだ。
ドカドカと階段を下りて、風呂場に向かう。
こういう時は風呂に入って一度頭をリセットするのが一番だ。
そう思い、勢いよく風呂場の扉を開けた。
だけど。
「……」
「……」
勢いよく扉を開けた瞬間見えた景色に体の動きが止まる。
そして、目の前のその人も、俺の顔を見てピタリと動きを止めた。
互いの間に流れる、沈黙。
それでも。