守りたい人【完】(番外編完)
俺は来る者拒まず、去る者追わずや。

別れたいと言われれば、『そっか』と言うた。

私の事好きやった? と聞かれれば『好きやったで』と答える。


付き合っている時は、本当に好きやった。

可愛えな、と思うし、守ってやりたい、とも思う。


だけど、俺はどこか冷めていた。

いつも頭の中で計算して、彼女が喜びそうな事を機械的に考える。

きっと、それは愛情やなくて義務のようになってたんやと思う。


彼女達は最初の方はそんな俺にゾッコンになるけど、徐々に俺というものを理解しだすと物足りなくなるらしい。

自分が俺に注いでいる愛情と同じだけの愛だったり、見返りを求めだす。

だけど、俺はそれには答えられへん。


答えは簡単や。

きっと、彼女達と同じくらい愛してないからや。
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