守りたい人【完】(番外編完)
楽しそうな笑い声が姫野壮に響く。
みんなで縁側に並んで、私が焼いたパンを取り合いながら食べている。
「たまちゃん、ほんまこのパン美味いわぁ」
「ふふ、また焼いてくるね~」
「今度新作作る時言うてな。味見するさかい」
大きな口にモグモグと頬張りながら、鍛冶君がそう言って笑う。
笑う度にそのクルンクルンの髪が揺れるもんだから、可愛くて仕方ない。
「じゃぁ、今度、鍛冶君の顔のパンでも作ろうかな」
「ちょ、それええ考えやん。俺一気に有名人」
「え~でも、鍛冶君の頭かじるのヤダなぁ」
「ちょ、志穂ちゃん、食べるなら口から食べて!」
「それなんかヤダ」
温かい日差しが4人に降り注ぐ。
大好きな人が沢山私を囲んでいる。
それだけで、私は幸せで仕方ない。
「あ、そうだ、たまちゃん、ねぇ、聞いて」
「どしたの、志穂ちゃん」
――――やっぱり私は、志穂ちゃんが大好きだ。