クールな御曹司の契約妻になりました
「えっと、月収は、いち、じゅう、ひゃく、せん……、えっ??」
私は目を疑った。
何かのミスプリントだって思ってしまった。
だって、通常の大学卒の新卒の会社員が提示される月収よりも明らかに一桁0の数が多いんだもん。
「応募条件は、二階堂千裕との個人の契約。契約期間中の一切の恋愛禁止。」
恋愛の話題に事欠かない二階堂社長の秘書の応募条件が一切の恋愛禁止だなんて……。
月収だって応募条件だって、普通じゃないことが分かる。
「って、応募条件はそれだけですか?」
応募条件を淡々と喋った教授に私は、呆気に取られた口調で思わず口にしてしまう。
教授は私の言葉に、静かに、そして大きく頷いて見せる。