クールな御曹司の契約妻になりました
「そんなの、嫌です」

私に、嫌だとか言う権利なんてないこと分かってる。
だってこれは雇用主からの指示なんだから、つまり私は解雇ということなんだろう。

「確かにこんな事件が起きたんだから、責任を取って私は千裕さんから離れないといけないことくらい、自分でもわかってます」

あぁ、涙が止まらない。

「香穂、違うんだ。これは、椎原さんの騒動が起こる前からずっと、そうしようと考えていたんだ。だから、あの日……」

あの日って、私を抱いた日?

言葉にしなかったけれど、千裕さんを見つめたら、そうだ、と言わんばかりに小さく頷いた。


私を抱いた日の朝、『話がある』と出かけて行った千裕さんを思い出す。



< 229 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop