クールな御曹司の契約妻になりました
神父は私に視線を移動させる。

「二階堂 香穂は、この千裕を夫とし、良き時も悪き時も、共に歩み、愛を誓い、生涯妻を想うことを、神のもとに誓いますか?」

「ハイ。誓います」

きっと千裕さんの緊張が移ったんだ。

若干、声が上擦った。
それを聞き逃さなかった千裕さんが隣でわずかに肩を揺らす。


もう、千裕さんったら。


「今度はどうして教会で式を挙げるんだ?」

「業務提携した記念かしら。それとも香穂、あの子ったら結婚式挙げることが趣味になったんじゃ……。ほら、あの子。昔からドレスとか可愛らしい恰好するの大好きだったじゃない?」


私の背後で両親が小声で話しているのが聞こえてくる。

全部、聞こえてるよ。お父さん、お母さん。


「あぁ、4月の結婚式は白無垢だったもんなぁ」

妙に納得したようなお父さんの声に、今度は千裕さんが小さく吹き出した。

< 242 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop