クールな御曹司の契約妻になりました
「それでは、指輪の交換を」

神父のバリトンボイスで私たちは向かい合う。

「綺麗だよ、香穂」

私を見た千裕さんが目を細める。

今回の結婚式のドレスは私が選んだ。

大きなリボンをあしらったロングトレーンが特徴のプリンセスラインの真っ白なウエディングドレス。

千裕さんが正面から見るのは、今この瞬間が初めてで、千裕さんに褒められるとやっぱり恥ずかしくってなんだかくすぐったい。


千裕さんが私の手をすくうように添える。

「これが、本物のマリッジリング」

小さく私にだけに聞こえるようにして千裕さんが伝えてくれる。

2人で1つのデザインとなると後で教えてもらったそのリングは、シンプルなデザインの中にしなやかな曲線美のある美しいリングだった。

緊張のあまり震える指先をどうにか抑え、今度は私が千裕さんに指輪をはめる。


4月1日の結婚式の時よりも随分と緊張している。
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