クールな御曹司の契約妻になりました
キッチンからワイングラスを持ってきた千裕さんは、私にさっきまで千裕さんが飲んでいたワインと同じものを注いでくれる。

完全に熟したルビーのような濃い紫がかった液体が私の目の前に差し出される。


並んだペアのワイングラスに同じ量を丁寧に注いだ千裕さんは片方のグラスを手に持ち私に向ける。

「では、改めて。香穂、これからよろしく」


さっきのキスのせいで私の鼓動は未だにドキドキと私の中を駆け巡っている。


そんな私に、千裕さんの向けた笑顔は、自信たっぷりで余裕すら見え隠れしていて、どこか艶やかで色気を感じさせずにはいられない。

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