クールな御曹司の契約妻になりました
「もう刷り上がってきたのか、早いな」

ネクタイを緩めながら控室に勢いよく入ってきたのは千裕さん。

控室に入ってくると、早速私の隣に置かれたインタビュー記事を確認する。

記事を確認している千裕さんの横顔は至って真剣そのものだ。

仕事モードの千裕さんは、社長オーラ全開で話しかけることすら躊躇してしまう。


「うん、香穂も綺麗に映っているな」

読み終えると、満足そうに目を細めてその記事の端に映っている指輪の交換を行っている2人の写真を見せてくれた。


「記事の内容について、抗議したいことがあれば家で受け付ける」

記事を手に取って熱心に読んでいた私に千裕さんはそう言って苦笑いを浮かべた。

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